近年、ご家族や近親者のみで葬儀を執り行う「家族葬」が増えています。そのため、葬儀が終わってから親しい方々へ訃報を伝えるケースも少なくありません。その際、最も丁寧な方法として用いられるのが手紙です。葬儀後に親の逝去を知らせる手紙は「事後報告」となるため、書き方にはいくつかの配慮が必要です。まず、手紙を送るタイミングですが、葬儀後、四十九日の法要が一区切りとなるため、その前後までに送るのが一般的です。慌ただしい時期が過ぎ、少し落ち着いてから準備を始めるとよいでしょう。手紙に盛り込むべき内容は、故人の名前、亡くなった日付、享年、そして誰の親であるか(続柄)を明確に記すことが基本です。それに加え、葬儀を近親者のみで済ませたこと、そして事後報告となったことへのお詫びを一言添えるのがマナーです。故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉も忘れずに綴りましょう。文章は、頭語(拝啓など)と結語(敬具など)を用い、時候の挨拶は省略しても構いません。便箋は白無地や薄いグレーの罫線が入ったシンプルなものを選び、筆記用具は万年筆や毛筆、濃い色のボールペンを使用するのが望ましいです。封筒も白無地の二重封筒が最も丁寧とされています。最後に、差出人の住所、氏名、電話番号などの連絡先を明記します。この手紙は、故人に代わって生前のご厚情に感謝を伝える最後の挨拶状とも言えるものです。心を込めて、丁寧な言葉選びを心がけましょう。