葬儀に贈る盛籠には、どのような品物が入れられ、費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。その内容と相場を知っておくことは、故人との関係性にふさわしい、適切な弔意を示すために重要です。盛籠の中身は、大きく分けて「果物」と「缶詰・乾物」の二種類があります。まず、「果物の盛籠」ですが、これは見た目にも華やかで、みずみずしい印象を与えるため、非常に人気があります。中に入れられる果物は、季節によって異なりますが、りんご、オレンジ、グレープフルーツ、メロン、パイナップル、ぶどう、柿といった、比較的日持ちのする、彩りの良いものが中心となります。傷みやすい、いちごや桃、あるいは水分が多すぎるスイカなどは、あまり用いられません。次に、「缶詰・乾物の盛籠」です。こちらは、日持ちがするという最大のメリットがあります。缶詰であれば、果物のシロップ漬けや、ジュース、あるいはゼリーなど。乾物であれば、お茶や海苔、お菓子、調味料などが一般的です。果物と缶詰を組み合わせた、混合タイプの盛籠も多く見られます。費用相場は、一基あたり、おおむね一万円から三万円程度が一般的です。一万円程度の盛籠は、少し小ぶりですが、気持ちを示すには十分なサイズです。一万五千円から二万円程度のものが、最も多く選ばれる、標準的な価格帯と言えるでしょう。三万円以上になると、かなり豪華で、ボリュームのある立派なものになります。故人と非常に近しい関係であった場合や、法人として手厚い弔意を示したい場合に選ばれます。この金額の差は、主に使用される果物の種類や数、そして全体の大きさによって決まります。盛籠を注文する際には、供花と同様に、必ず「葬儀を執り行っている葬儀社に直接依頼する」のが、最も確実な方法です。葬儀社は、祭壇全体のバランスや、他の供物との統一感を考慮し、その葬儀に最もふさわしい内容とデザインの盛籠を手配してくれます。また、名札の作成や、適切な場所への設置も、すべて責任を持って行ってくれるため、安心して任せることができます。
盛籠の中身と費用の相場