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葬儀銘柄の株価変動と季節性の関係についての分析
株式市場には「セル・イン・メイ(5月に売れ)」や「掉尾の一振(年末の株価上昇)」といった季節性のアノマリーが存在しますが、葬儀関連銘柄においても特有の季節性が業績や株価に影響を与えることがあるため、投資タイミングを図る上で知っておくと有利になることがあります。一般的に、日本の死亡者数は冬場(12月から2月頃)に増加する傾向があり、これは気温の低下によるヒートショックや感染症の流行などが高齢者の健康に影響を与えるためです。そのため、葬儀社の四半期決算を見ると、冬場の四半期(第4四半期や第1四半期など、決算期による)に売上高や利益がピークをつけることが多く、この時期の好業績が発表されると株価が反応しやすくなるというパターンが見受けられます。逆に、気温が暖かくなる春から夏にかけては死亡者数が相対的に減少するため、業績の進捗が鈍化しやすく、株価も調整局面に入ることがあります。投資家としては、こうした季節変動を織り込んだ上で、夏場の株価が軟調な時期に仕込み、冬場の繁忙期に向けて保有するというスイングトレードのような戦略も考えられますが、長期投資家であれば、一時的な季節要因による株価の下落を押し目買いのチャンスと捉えることもできます。ただし、近年では空調設備の普及や医療の進歩により、季節による死亡者数の変動幅は以前ほど大きくなくなってきているという指摘もあり、過度に季節性を盲信するのは危険です。また、うるう年がある年には一日分営業日が増えるため、前年同月比での売上が良く見えるといった細かいテクニカルな要因も存在します。さらに、六曜の「友引」の日数も月ごとの業績に微妙な影響を与えることがあり、友引に葬儀を行うことを避ける地域では、友引が多い月は稼働率が下がる傾向にあります。もっとも、最近では友引でも営業する火葬場が増えたり、友引を気にしない層が増えたりしているため、この影響は限定的になりつつあります。結局のところ、季節性は短期的なノイズに過ぎないことが多いですが、決算発表時の数字のブレを正しく解釈するためには、葬儀ビジネス特有のバイオリズムを理解しておくことが不可欠であり、それが冷静な投資判断につながるのです。