葬儀関連銘柄への投資を考える際、最も重要なタイムラインの一つが「2040年問題」であり、これは日本の高齢者人口がピークに達し、死亡者数が最大化すると予測される時点を指しています。現在から2040年にかけて、日本はかつて経験したことのない多死社会の最盛期を迎えることになり、葬儀業界にとっては物理的な需要が天井知らずで伸びていくボーナスタイムとも言える期間が続きます。しかし、投資家として注目すべきは、その量の増加だけでなく、質の劇的な変化にどのように適応できる企業が生き残るかという点です。2040年の時点では、亡くなる方の多くが単身世帯や子供のいない高齢者である可能性が高く、従来の「家族が喪主となって盛大に送る」というモデルは崩壊し、行政や成年後見人が関与する「福祉葬」や、生前に自ら契約しておく「生前契約型葬儀」が主流になっているかもしれません。このような未来において覇権を握るのは、単に斎場を増やしている企業ではなく、デジタル技術を駆使して生前の見守りサービスや資産管理とセットになったエンディングプランを提供できる企業や、メタバース空間でのお別れ会など、物理的な制約を超えた新しい弔いの形を提案できる革新的な銘柄でしょう。また、火葬場の不足が深刻化することで、火葬待ちの期間をご遺体を安全に預かる安置ホテルの運営や、移動式火葬車のような規制緩和を伴う新サービスが登場する可能性もあり、そこにいち早く参入する企業にもチャンスがあります。一方で、2040年を過ぎると死亡者数は減少に転じ、日本は本格的な人口縮小局面に入るため、その先を見据えた海外展開、特にこれから高齢化が進むアジア諸国へのノウハウ輸出を進めている銘柄は、超長期的に見ても有望です。現在の株価指標だけで判断するのではなく、20年後の日本の風景を想像し、そこで必要とされるサービスを今から種まきしている企業を見つけ出すことこそが、葬儀銘柄への超長期投資の醍醐味であり、次世代への資産継承にもなり得る戦略的な投資と言えるのではないでしょうか。